赤外線を使用した非破壊検査について

非破壊検査と呼ばれる物体の見えない傷を見分ける検査方法の中には、赤外線サーモグラフィを使用したものもあります。赤外線サーモグラフィによる非破壊検査では、物体の表面の温度や温度の変化から内部の状況を知ることができるメリットがあります。例えば、電気モータの加熱していることによる異常は外側の温度が何らかの原因により非常に高くなることによって知ることが可能です。検査対象をするときに通常発熱をしない対象物の場合においては、外部から熱を加えて行うこともあります。

これをアクティブ・サーモグラフィと呼んでいます。外部から熱を加えることを励起と呼びますが、赤外線サーモグラフィの場合の励起方法は加熱と冷却の2種類があります。加熱方式が一般的には用いられています。加熱方式では輻射熱・超音波によって発生する振動エネルギー・電磁力・太陽光などが挙げられます。

もう一方の冷却方式は、自然冷却や気化熱のほか低音ガス吹き付けなどといった方法を使用して冷却していき非破壊検査を行うのが通常です。赤外線サーモグラフィに用いるサーマルカメラでは対象物を励起することによってその表面に生じた温度差を観察することで、内部の欠陥を検知することが可能です。複合物の内部に隙間があるかないかのほか層間剥離・水分などがないか調べるために大きく貢献します。そして現在では赤外線を利用したこうした非破壊検査や計測技術は、センサー性能の向上と価格の低コスト化に伴い近年目覚ましい広がりを見せており今後も期待される分野です。