コンクリートを使った構造物は、長年雨風に晒された状態で使われ続けることになります。外観がボロボロになって来ると寿命が近い、そろそろ解体が必要になるなどは見て分かりますが、外観がきれいな状態でも内部は目で見ることが出来ませんので、状況を把握するための赤外線を利用した非破壊検査が必要になります。コンクリート構造物には、RC造やSRC造、S造などの種類があるわけですが、内部には鉄骨や鉄筋が埋め込まれてあります。コンクリートの弱点をこれらが補う、鉄骨や鉄筋の弱点をコンクリートが補うなど、組み合わせを行うことが大きな揺れから建物を守ることに繋がります。
コンクリート内部に空洞が出来てしまう、これを発見することが可能なのが赤外線カメラを使った非破壊検査で、空洞の有無を確認する、水が溜まっていないかを確認することが可能です。空洞がある水が溜まっている、この状態は鉄骨や鉄筋を腐食させる要因でもあり、早急なメンテナンスが必要になって来るわけです。ちなみに、鉄筋は腐食が始まると体積が増えて来る性質を持ち、膨張したことで表面側のコンクリートは剥離してしまう、鉄筋が露出することになります。当然このような状態では耐久性がありませんので、解体などが必要になるわけです。
赤外線による非破壊検査はこのような状態になる前に対策を講じることが出来るメリットも持っています。建物を解体することは膨大な費用が掛かりますが、検査を実施して現状を把握することはその費用削減にも貢献が出来ます。