治具という言葉自体が聞き慣れないものかもしれませんが、研究期間などでは検査治具というものが使われています。どういうものかと言うと、ある特定の機能のみを持つ検査のための機器です。こういうもの、という特定の機能があるのではなく、あらゆる場所であらゆる用途を持たせて作られており、汎用性がありません。汎用性がないという事はその用途にのみ使えるというものです。
例えば水温が62度になったらランプが点灯する検査治具があります。その研究期間で作っている基板で使う温度で、そこでは必要なものですが他では何の役にも立ちません。専門性が高すぎて汎用性がないのが検査治具の特徴であり、しかしそれは問題にはならないのです。もしそれを市販したいと思うなら問題は沢山あります。
その検査治具は小売りしていい形をしていませんし、パッケージもありません。場合によっては持つのが危ないぐらいセンサーなどがむき出しになっているでしょう。ただ、そもそも販売されないのが検査治具なのでそれを頑張ってどうにかしなければいけないといったものでもないのです。これらの治具はどこかの研究期間で、特定の用途のみに利用されるものであり、そのためだけに作られます。
必要に迫られた時に技術者が、多くの場合その辺にある部品を組み合わせて作ってしまいます。ものを作るのは難しいものですが、見た目や使い勝手を考えずに機能だけを取り付けるのはそれほど難しくないからです。