赤外線による非破壊検査

非破壊検査は物体を破壊することなく内部で起こっている問題を調べるものです。非破壊検査に使われてきたものとしては、放射性物質を使用したものでレントゲンなどが知られます。一方で放射性物質は管理を厳重に行わなければなりませんから、検査として行うには手続きも煩雑になりがちです。このような中でコンピューターによる情報分析能力によって、放射線物質以外のものも登場しており、そのひとつが赤外線を用いたものです。

赤外線は、可視光線の赤色よりも波長が長いもので、ヒーターなどにも使われています。またセンサーとしても使われリモコンなどに使われていますし、赤外線を感知するものとしてサーモグラフィなどにも使われています。赤外線による非破壊検査はこの物体の赤外線を検知するサーモグラフィを使ったものです。サーモグラフィでは放射量から温度を可視化することができるもので、見た目にはわからない表面の温度差を知ることができます。

特に広く使われているのが外壁の調査で一度の広範囲を撮影することができ表面の剥離具合を知ることが可能です。あくまでも表面温度に由来する検査方法ですがコンピューターによる映像解析と組み合わせることにより効率よく物体の状態を知ることが可能になり、メンテナンスコストを下げることが可能です。特に今まではすべてを打音検査によって調べてきましたが、打音検査では作業員の経験に頼るところが大きいものでしたが、サーモグラフィを使うことで短時間で、かつ複数の人間がその問題点を検証することができるといったメリットもあります。